ジェイムズ・P・ブレイロック
James P. Blaylock (1950〜 )ホムンクルス
ホムンクルスHomunculus (1986)
友枝 康子訳/ハヤカワ文庫FT (1989)/ISBN 4-15-020123-4時はヴィクトリア朝時代。科学者であり発明家でもあるセント・アイヴスらトリスメギストス・クラブのメンバーたちは、百万長者ケルソー・ドレイク、マッド・サイエンティストのイグナチオ・ナルボンドらの抱く陰謀を嗅ぎつけ、それを阻止するために動き出した。だが、エントロピーを逆転させる力を持つという小人ホムンクルスの入った箱を巡って、しだいに事態は混沌としていく。
ブレイロック作品の登場人物たちはチェスの駒のように特徴が固定していて、各々が独自の行動パターンをとります。彼らはストーリー展開に沿って素直に動きません。特にナルボンドの助手ピュールと、狂信的伝道師シロ。二人の言動は常軌を逸していて、物語の性格を歪めています。
『リバイアサン』のあとがき解説によると、ブレイロックの手法は物語の面白さを中心にすえた19世紀の小説に極めてよく似ているそうです。登場人物が型にはまっていて、物語を通して成長しないのも特徴の一つだとか。
話の展開が予想つかなくて、物語としての面白さは充分に発揮している作品だと思います。ほとんどホムンクルスそっちのけで話が進んでいきますし・・。